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日本語のオノマトペ完全ガイド — ぎこぎこ、わくわくの世界

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はじめに

日本語をある程度学んだ方なら、マンガやドラマ、日常会話でこんな表現に出会ったことがあるはずです。きらきら輝く星、わくわくする気持ち、どきどきする心臓、つるつるした床。教科書の文法はすべて覚えたのに、いざこうした言葉が出てくると、辞書を引いてもぴんと来ないことがあります。

これがまさにオノマトペ、つまり擬音語・擬態語です。日本語は世界の言語の中でも、オノマトペが特に発達した言語です。ある研究によれば、日本語には4千以上のオノマトペが存在するとされ、日常会話のかなりの部分がこれらの表現で構成されています。とりわけ子どもに話しかけるとき、料理番組で食感を描写するとき、マンガで効果音を表すとき、オノマトペはなくてはならない存在です。

この記事では、日本語のオノマトペの世界を体系的に整理していきます。分類から始め、形態パターン、テーマ別の大量の表現表、文法的な活用、そして韓国語のオノマトペとの比較まで扱います。読み終えるころには、わくわくする気持ちで日本語のオノマトペを使えるようになっているはずです。

オノマトペとは何か

オノマトペという言葉自体は、フランス語の onomatopée から来た外来語です。英語の onomatopoeia と語源を同じくし、ギリシャ語で「名前をつくる」という意味です。日本語では学術的に、これを大きくいくつかに分類します。

分類

日本語のオノマトペは、伝統的に次のように分けられます。

分類日本語読み方意味
擬音語擬音語ぎおんご (giongo)実際の音をまねた語わんわん、ざあざあ
擬声語擬声語ぎせいご (giseigo)生き物の声をまねた語にゃあにゃあ、こけこっこー
擬態語擬態語ぎたいご (gitaigo)状態や様子を音のように表す語きらきら、つるつる
擬情語擬情語ぎじょうご (gijougo)心の状態や感情を表す語わくわく、いらいら

簡単にまとめると、こうなります。擬音語(giongo)は無生物が出す音、擬声語(giseigo)は人や動物が出す声、擬態語(gitaigo)は音のしない状態や様子、擬情語(gijougo)は心の中の感じを表します。学者によっては擬声語を擬音語に含めたり、擬情語を擬態語に含めたりするので、大きく音の系統と状態の系統の二つと理解しても差し支えありません。

なぜ日本語にオノマトペが発達したのか

日本語にオノマトペが特に多い理由については、いくつかの説明があります。一つは、日本語の動詞自体が比較的抽象的で、具体的なニュアンスをオノマトペで補うというものです。たとえば「笑う」という動詞一つでは、どう笑うのかわかりませんが、にこにこ笑う、げらげら笑う、くすくす笑うのようにオノマトペを添えると、笑い方の種類が鮮明になります。この表現力のおかげで、オノマトペは日本語の中心的な語彙となりました。

形態パターンを理解する

オノマトペをやみくもに覚えるより、形態パターンを知ると、はるかに楽に身につけられます。同じ語根でも、どの形をとるかによってニュアンスが変わるからです。

代表的な形態パターン

パターン名ニュアンス
反復形 (ABAB)二音節の繰り返し繰り返す動作、続く状態きらきら、どきどき、わくわく
促音形 (っ)語中に小さいつ瞬間的で鋭い感じぴったり、きっぱり、ばったり
語尾り形末尾にり一度の完結した動作、余韻ゆったり、にっこり、しっかり
撥音ん形末尾にん響きが残る感じずどん、がくん、ぽかん
長音形末尾を伸ばす長く続く感じざあ、すうっ、ふわあ

反復形 ABAB

最も基本的でよく使われる形です。二音節の語根を二度繰り返します。わくわく、どきどき、きらきらなどがこれにあたります。繰り返しは、そのまま持続や何度も起こる動作を表します。きらきらは星がずっと輝く様子、どきどきは心臓がずっと鼓動する様子を表します。

促音形 っ

語根の中に小さいつ(促音)が入る形です。促音は音を瞬間的に止めるので、鋭く瞬間的な感じを与えます。同じ語根ばらを見ても、ばらばら(ばらばらに散った様子)とばったり(ぱったり出会う様子)はニュアンスがまったく違います。ぴったりはぴたっと合う感じ、きっぱりはきっぱり断ち切る感じを与えます。

語尾り形

末尾にりがつく形です。一度の完結した動作や、その余韻を表します。にっこり(にこっと一度笑う様子)、ゆったり(ゆったりした様子)、しっかり(しっかりした様子)などがあります。反復形のにこにこがずっと笑う様子なら、り形のにっこりは一度にこっと笑う瞬間をとらえます。

撥音ん形

末尾にん(撥音)がつく形で、余韻が響き渡る感じを与えます。ぽかん(ぽかんと口を開けた様子)、がくん(急にがくんと折れる様子)、ずどん(ずしんと重く落ちる音)などがあります。

長音形

母音を長く伸ばす形です。音や状態が長く続く感じを与えます。ざあ(雨が激しく降る音)、すうっ(すうっと入っていく様子)、ふわあ(あくびをして伸びをする様子)などがあります。

テーマ別オノマトペ大辞典

では、実際によく使われるオノマトペをテーマ別に整理します。表を見ながら声に出して読んでみると、体で覚える助けになります。

感情と心の状態(擬情語)

オノマトペ読み方意味例のニュアンス
わくわくwaku-waku期待にわくわくする様子遠足の前日
どきどきdoki-doki緊張や期待で心臓が鼓動する様子告白の直前
いらいらira-iraいらだち、焦る様子列が進まないとき
そわそわsowa-sowa落ち着かない様子結果発表を待つとき
うきうきuki-uki浮かれて楽しい様子旅行の荷造り
くよくよkuyo-kuyo些細なことをくよくよ悩む様子過去の失敗を思い返すとき
はらはらhara-haraはらはらする様子接戦を見るとき
うっとりuttoriうっとりと見とれる様子美しい景色の前で
むかむかmuka-muka怒りがこみ上げる、胸がむかつく様子失礼なことを言われたとき
ほっとhottoほっと安心する様子試験が終わったとき

状態と性質(擬態語)

オノマトペ読み方意味例のニュアンス
きらきらkira-kiraきらきら輝く様子夜空の星
つるつるtsuru-tsuruつるつるした滑らかな様子磨きたての床
ぼこぼこboko-bokoでこぼこ、またはぼこぼこ沸く様子穴だらけの道路
ふわふわfuwa-fuwaふわふわ軽い様子焼きたてのパン
ぬるぬるnuru-nuruぬるぬるした様子苔むした石
さらさらsara-saraさらさらした滑らかな様子よく乾いた砂
べたべたbeta-betaべたべたくっつく様子手についた蜂蜜
ぴかぴかpika-pikaぴかぴか光る様子新しい靴
もちもちmochi-mochiもちもちした様子つきたての餅
かちかちkachi-kachiかちかちに固まった様子凍った氷

音(擬音語・擬声語)

オノマトペ読み方意味例のニュアンス
ざあざあzaa-zaa雨が激しく降る音土砂降り
がたがたgata-gataがたがた揺れる音古い窓
ごろごろgoro-goro雷が鳴る、または転がる音遠雷
わんわんwan-wan犬がわんわん吠える音子犬
にゃあにゃあnyaa-nyaa猫がにゃあと鳴く音子猫
こつこつkotsu-kotsuこつこつと叩く音靴のかかとの音
ぱちぱちpachi-pachiぱちぱち拍手する、燃える音焚き火
ごくごくgoku-gokuごくごく飲む音水を飲む
ぐうぐうguu-guuぐうぐう鼾をかく音深い眠り
ぴんぽんpin-ponぴんぽんとチャイムの音来客

動きと動作(擬態語)

オノマトペ読み方意味例のニュアンス
うろうろuro-uroあてもなくうろうろする様子道に迷った人
ふらふらfura-furaふらふら揺れる様子めまいがするとき
てくてくteku-tekuてくてく歩く様子遠い道を歩く
すたすたsuta-sutaすたすた速く歩く様子急ぎ足
のろのろnoro-noroのろのろ遅い様子渋滞した車
ぐるぐるguru-guruぐるぐる回る様子メリーゴーラウンド
ばたばたbata-bataばたばた忙しい様子朝の出勤準備
こそこそkoso-kosoこそこそ隠れてする様子内緒話
ぴょんぴょんpyon-pyonぴょんぴょん跳ねる様子ウサギ
よろよろyoro-yoroよろよろ倒れそうな様子疲れた足取り

食感の表現(食べ物・料理)

オノマトペ読み方意味例のニュアンス
さくさくsaku-sakuさくさくした食感天ぷらの衣
ぱりぱりpari-pariぱりぱり薄く軽い食感のり、お菓子
とろとろtoro-toroとろとろ溶ける食感半熟卵
しゃきしゃきshaki-shakiしゃきしゃきした食感新鮮な野菜
ぷりぷりpuri-puriぷりぷりした食感エビ
こってりkotteriこってり濃厚な味豚骨ラーメン
あっさりassariあっさりした味塩ラーメン
ほくほくhoku-hokuほくほく温かい食感ゆでたてのじゃがいも

痛みと身体感覚

オノマトペ読み方意味例のニュアンス
ずきずきzuki-zukiずきずき疼く痛み頭痛
ちくちくchiku-chikuちくちく刺す痛み喉が痛いとき
ひりひりhiri-hiriひりひりしみる感じ日焼けした肌
がんがんgan-ganがんがん激しく響く痛み二日酔いの頭痛
くらくらkura-kuraくらくらめまいがする感じ立ち上がるとき
ぞくぞくzoku-zokuぞくぞく寒気がする感じ風邪のひきはじめ

文の中で使う

表で覚えたら、次は実際の文でどう使うかを知る必要があります。オノマトペは大きく三つの方法で文に入ります。

とをつけて引用・副詞的に使う

最もよくある方法は、オノマトペの後にとをつけて副詞のように使うことです。このときのとは「そのように」という引用のニュアンスを込めて動詞を修飾します。

星がきらきらと光っている。
ほしがきらきらとひかっている。
星がきらきらと光っている。

彼はにっこりと笑った。
かれはにっこりとわらった。
彼はにっこりと笑った。

雨がざあざあと降る。
あめがざあざあとふる。
雨がざあざあと降る。

会話では、とを省略することも多いです。とくに反復形のオノマトペは、とをつけずにそのまま副詞として使われることがよくあります。

胸がどきどきする。
むねがどきどきする。

雨がざあざあ降っている。
あめがざあざあふっている。

するをつけて動詞にする

オノマトペの後にするをつけると動詞になります。とくに感情や身体の状態を表すオノマトペでよく使われます。

わくわくする。
どきどきする。
いらいらする。
ぞくぞくする。
のんびりする。

ここで注意点があります。するがつくオノマトペと、つかないオノマトペが決まっています。わくわくするは自然ですが、きらきらするは不自然です。きらきらはするの代わりに光るのような具体的な動詞ととを一緒に使います。この区別は規則というより慣用に近いので、例文を通して身につけるのがよいでしょう。

さまざまな動詞と結びつく

オノマトペは特定の動詞と組み合わさって使われることが多いです。下の表はよく使われる組み合わせです。

オノマトペよく使う動詞結合の例意味
にこにこ笑うにこにこ笑うにこにこ笑う
ぐっすり眠るぐっすり眠るぐっすり眠る
ぺらぺら話すぺらぺら話す流暢に話す
じろじろ見るじろじろ見るじろじろ見る
ぼんやりするぼんやりするぼんやりする
きっぱり断るきっぱり断るきっぱり断る

マンガと日常での活用

日本のマンガを読んだことがある方なら、コマのあちこちに手描き風の文字が背景に敷かれているのを見たことがあるはずです。これらの多くがオノマトペです。静かな場面にはしーん(静けさを表す擬態語)が描かれ、登場人物が驚くと背景にがーん(衝撃)が大きく配置されます。音のない静寂すらオノマトペで表すのが日本語の特徴です。

マンガのオノマトペ読み方状況
しーんshiin何の音もない静寂
がーんgaan衝撃を受けた瞬間
どーんdoon何かが大きく登場、ぶつかるとき
きゅんkyun胸がきゅんとする瞬間
ぷんぷんpun-pun怒りいっぱいの様子
にやりniyariにやりと不敵に笑う様子

日常会話でも、オノマトペは会話を生き生きとさせます。親が子どもに話しかけるときとくに多く使われます。子どもにご飯を食べさせるときもぐもぐと言い、手を洗うように言うときごしごしと言います。オノマトペは日本語の育児語の核でもあります。

韓国語のオノマトペとの比較

韓国語もオノマトペが非常に発達した言語です。二つの言語を比較すると、共通点と相違点がはっきり見えてきます。

対応する表現

多くのオノマトペが韓国語と自然に対応します。

日本語韓国語意味
きらきらbanjjak-banjjak輝く様子
つるつるmikkeul-mikkeul滑らかな様子
ふわふわpoksin-poksinやわらかく浮いた様子
どきどきdugeun-dugeun心臓が鼓動する様子
ぺこぺこgupsin-gupsinぺこぺこする様子
ぐるぐるbinggeul-binggeul回る様子
こそこそsogon-sogonこっそりする様子
ぴかぴかbeonjjeok-beonjjeok光る様子

共通する特徴

両言語とも母音の交替でニュアンスを調整するという共通点があります。韓国語で banjjak-banjjak と beonjjeok-beonjjeok が明るさの違いを表すように、日本語でも清音と濁音の対立が意味の違いを生みます。たとえば、きらきら(小さくてきれいなきらめき)とぎらぎら(強烈で威圧的なぎらつき)は、濁点一つでニュアンスが大きく変わります。

清音濁音違い
きらきらぎらぎらきれいなきらめき 対 強烈なぎらつき
さらさらざらざらさらさら 対 ざらざら
ころころごろごろ小さく転がる 対 大きく転がる
とんとんどんどん軽く叩く 対 強く叩く

一般に濁音(点二つ)がつくと、より大きく重く粗い感じを与えます。この規則は、韓国語の濃音・激音の対立に似た感覚を与えます。

相違点

韓国語は陽母音と陰母音の対立(ア/オ、オ/ウ)がオノマトペの核心原理であるのに対し、日本語は清音・濁音の対立と、促音・撥音の有無がより重要です。また、日本語はオノマトペをするで動詞化する方法が非常に発達していますが、韓国語は「-georida」「-daeda」のような接尾辞で動詞を作ります。たとえば dugeun-georida は、どきどきするに対応します。

学習者が陥りやすい落とし穴

オノマトペは魅力的ですが、いくつか注意点があります。

一つ目は、ととするの区別です。先に述べたように、するがつくオノマトペと、とで使うオノマトペが慣用的に決まっています。わくわくするは言えますが、きらきらするは不自然です。やみくもにするをつけず、例文で確認する習慣が必要です。

二つ目は、清音と濁音のニュアンスの違いです。こつこつ(真面目にこつこつ)とごつごつ(ごつごつ粗い様子)はまったく違う意味です。濁点一つで意味が完全に変わるので、注意が必要です。

三つ目は、似て見えるオノマトペの区別です。下の表を参考にしてください。

紛らわしい組違い
にこにこ 対 にやにや明るく笑う 対 にやにや笑う
きらきら 対 ちらちらきらめき 対 ちらつく
ぺこぺこ 対 ぼこぼこ空腹・ぺこぺこ 対 でこぼこ
ぱらぱら 対 ばらばらぱらぱら降る 対 ばらばらに散る

四つ目は、文語と口語の違いです。オノマトペは基本的に口語的な表現なので、格式のあるビジネス文書や論文では使用を控えるのがよいでしょう。一方、広告のキャッチコピーやSNS、日常会話では積極的に使われます。

実践例文集

最後に、今日学んだオノマトペをさまざまな状況の例文にまとめてみましょう。

明日の遠足を思うと、わくわくして眠れない。
あしたのえんそくをおもうと、わくわくしてねむれない。

面接の前で、心臓がどきどきした。
めんせつのまえで、しんぞうがどきどきした。

床がつるつるして滑りそうだ。
ゆかがつるつるしてすべりそうだ。

彼女はにっこりと微笑んだ。
かのじょはにっこりとほほえんだ。

外は雨がざあざあ降っている。
そとはあめがざあざあふっている。

このパンはもちもちしていておいしい。
このパンはもちもちしていておいしい。

道に迷って、駅の前をうろうろした。
みちにまよって、えきのまえをうろうろした。

夜空に星がきらきらと輝いている。
よぞらにほしがきらきらとかがやいている。

おわりに

日本語のオノマトペは、単なる音まねではなく、日本語の感覚と感情を凝縮した言語の精髄です。最初は4千を超えるという数に圧倒されるかもしれませんが、今日学んだように、分類と五つの形態パターン、そして清音・濁音の対立という原理を理解すれば、新しいオノマトペに出会ってもニュアンスをある程度推測できます。

いちばんよい学習法は、マンガ、アニメ、ドラマ、料理番組を見ながら、実際に使われる文脈を観察することです。そして声に出して読んでみてください。オノマトペは頭ではなく体で覚える語彙です。きらきら、わくわく、つるつるを自分の口で発音していくうちに、いつの間にかその感じが体に染みついているでしょう。

みなさんの日本語学習が、いつもわくわくするものでありますように。

参考資料