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Word・PowerPointショートカット — 文書はスタイルで、スライドはオブジェクトで扱います
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- Youngju Kim
- @fjvbn20031
- はじめに — 同じリボンを使うのに手癖が違います
- Word・移動と選択 — 単語、段落、文書という三つの単位
- Word・書式 — スタイルが文書全体を扱う方式
- Word・編集と校閲 — 貼り付け、検索・置換、コメント、表
- PowerPoint・スライドとオブジェクト
- PowerPoint・スライドショーの制御
- 二つのアプリが食い違う地点 — そして確認できなかったこと
- おわりに — 五つだけ選ぶなら
- 参考資料
はじめに — 同じリボンを使うのに手癖が違います
WordとPowerPointは同じ会社が作り、リボンも似た見た目をしています。だからショートカットも似ていそうですが、実際にはかなり違い、いくつかの箇所ではまったく正反対です。理由は二つのアプリが扱う対象が違うからです。
Wordが扱うのは流れるテキストです。文字が行を埋め、行が段落をなし、段落がページをまたぎます。だからWordのショートカットは単位を扱います。単語単位、段落単位、文書単位で動き、選びます。そして書式は個々の文字ではなく、スタイルという名前を通じて扱います。
PowerPointが扱うのはキャンバス上のオブジェクトです。テキストボックスもオブジェクトで、図形も画像もオブジェクトです。流れがないので単位もありません。代わりに、何を選んだか、どんな順序で重なっているか、どのスライドにあるかが問題になります。
この違いが手癖を分けます。Wordではカーソルを動かし範囲をつかむことに時間を使い、PowerPointではオブジェクトを選び整列させることに時間を使います。だからこの記事は二つのアプリを一つの一覧にまとめず、それぞれの性格に沿って分けました。
Excelショートカットをまとめた記事と同じ方式です。個々のキーを並べる代わりに、グループごとにそのグループを支配する規則を先に説明し、その規則から個々の組み合わせが導かれるようにしました。手に馴染ませる反復練習はショートカットトレーナーでできます。
表記の原則も同じです。以下の組み合わせはマイクロソフト公式文書で確認できたものだけを断定して書き、文書にない項目はないと本文に明示しました。Macのキーは同じ機能でもWindowsと論理が違う場合が多いので、別途照合しました。
Word・移動と選択 — 単語、段落、文書という三つの単位
Wordでもっとも先に手に馴染ませるべきグループで、規則一つで全部説明が付きます。
規則はこうです。修飾キーが単位を決め、Shiftが移動を選択に変えます。 二つの軸が独立しているので、組み合わせを別々に覚える必要がありません。
- WindowsではCtrlが「一段階大きく」です。方向キーだけ押せば文字一つ、Ctrlを加えれば単語一つ、上下は段落一つです。
- Macはここで分かれます。横方向の単語単位はOptionで、縦方向の段落単位はCmdです。Windowsのように一つの修飾キーに統一されていません。
- Shiftは両方とも同じです。移動の組み合わせにShiftだけ加えれば、その移動経路が選択範囲になります。
| したいこと | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 単語単位で選択を拡張 | Ctrl + Shift + 左右方向キー | Shift + Option + 左右方向キー |
| 段落の始め・終わりまで選択を拡張 | Ctrl + Shift + 上下方向キー | Cmd + Shift + 上下方向キー |
| 文書全体を選択 | Ctrl + A | Cmd + A |
| 文書の最初へ | Ctrl + Home | Cmd + Home |
| 文書の最後へ | Ctrl + End | Cmd + End |
Macで注意すべき点が一つ。文書の最初と最後へ行く組み合わせは、公式文書がCmdとHome、CmdとEndと案内していますが、ノートPCのキーボードにはHomeとEndのキーがありません。だからFnと方向キーでHomeとEndを作らねばならず、実際には三つのキーを一緒に押すことになります。公式文書もMacBookではFnの組み合わせを使うと併記しています。
このグループがなぜ重要かは、実際の作業を思い浮かべると分かります。段落一つを丸ごと別の場所に移そうとすると、まずその段落を正確につかまねばなりませんが、マウスでドラッグすると前後で文字が一つ余ったり足りなかったりします。その一文字のせいで書式がずれ、貼り付けた後に手直しすることになります。段落の始めにカーソルを置いてCtrlとShiftと下方向キーを一度押せば、境界が正確になります。
Word・書式 — スタイルが文書全体を扱う方式
この節がこの記事でもっとも価値の大きい部分です。ショートカットをいくつか節約する話ではなく、文書を扱う方式自体が変わるからです。
規則はこうです。Wordで書式を直接入れると、その書式はその場所だけに残り、スタイルで入れると文書全体を一度に扱えるようになります。
見出しを太字にしてサイズを18に上げて作った見出しと、見出し1スタイルを適用して作った見出しは、画面では同じに見えます。ところが後で起きることはまったく違います。前者は見出しが四十個あれば四十ヶ所を直さねばなりません。後者はスタイルの定義一ヶ所だけ直せば四十個同時に変わります。しかも目次の自動生成、ナビゲーションウィンドウの文書構造、アウトライン表示、PDF変換時のブックマークがすべてスタイルを根拠に作られます。スタイルなしで作った文書ではこれらの機能がまったく動きません。
| したいこと | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 見出し1を適用 | Ctrl + Alt + 1 | Cmd + Option + 1 |
| 見出し2を適用 | Ctrl + Alt + 2 | Cmd + Option + 2 |
| 見出し3を適用 | Ctrl + Alt + 3 | Cmd + Option + 3 |
| 標準スタイルに戻す | Ctrl + Shift + N | Cmd + Shift + N |
| 直接入れた文字書式を解除 | Ctrl + スペースバー | Ctrl + スペースバー |
最後の二行の違いを正確に知っておくと役立ちます。性格が違います。
Ctrl + Shift + Nは段落のスタイルを標準に戻します。他人が作った文書を受け取って整理するときに使うキーです。正体不明のスタイルがたくさん付いた段落を標準に押し戻して見出し1、見出し2を改めて乗せれば、構造がきれいになります。
Ctrl + スペースバーは文字に直接入れた書式だけを剥がします。スタイルはそのままにして、手で入れた太字や色だけを消します。ウェブからコピーしてきたテキストが変なフォントと色を付けて来たとき、このキー一つで整理できます。
Macでこの組み合わせは注意が必要です。公式文書はWindowsと同じCtrl + スペースバーで案内していますが、macOSではこの組み合わせがシステムレベルの入力ソース切り替えにデフォルトで割り当てられている場合が多いです。ハングルと英語を行き来するのに使っているなら、キーがWordまで届きません。システム設定でキーボードショートカットを変えるか、リボンの書式のクリアを使うほうが確実です。この衝突は利用環境によって変わるので、直接押して確認してください。
文書整理をよくするなら、順序はこう組みます。文書全体を選択でつかみ、標準スタイルに押し戻し、文字書式を剥がし、それから見出しだけ改めて指定します。手でやれば30分かかることが数分で終わります。
Word・編集と校閲 — 貼り付け、検索・置換、コメント、表
このグループは規則より個々の項目の性格が重要です。一つずつ見ていきます。
貼り付けがもっともよく使われ、もっともよく間違えられます。Wordは貼り付けを三つに分けています。
| したいこと | Windows | Mac |
|---|---|---|
| テキストのみ貼り付け | Ctrl + Shift + V | Cmd + Shift + V |
| 形式を選択して貼り付けダイアログ | 文書で確認できず | Cmd + Control + V |
| 書式のコピー | Ctrl + Alt + C | Cmd + Option + C |
| 書式の貼り付け | Ctrl + Alt + V | Cmd + Option + V |
ここでWordのCtrl + Shift + Vはテキストのみ貼り付けです。公式文書の表現そのままに「テキストのみ貼り付け」です。ウェブや他の文書からコピーしてきたものを今の文書の書式に合わせて入れるときに使うキーで、文書作業でもっとも頻繁に使うことになる組み合わせの一つです。このキーを知らないと、貼り付けるたびに毎回書式を消す作業を繰り返すことになります。
その下の二行が書式のコピーです。リボンの筆アイコンと同じ機能ですが、キーボードでやると一つ利点があります。コピーした書式が保持されるので、貼り付けの組み合わせを押し続けて複数箇所に繰り返し適用できます。 マウスで筆をダブルクリックして反復モードにするのと同じ効果ですが、手がキーボードを離れません。書式がまちまちな長い文書を整理するとき、この組み合わせはスタイルの次に役立ちます。
検索と置換です。WindowsでCtrl + Fは最近のWordでは検索ダイアログではなくナビゲーションウィンドウを開きます。ナビゲーションウィンドウは検索結果を一覧で示すと同時に、文書の見出し構造をツリーで示しますが、前の節のスタイルの話がここで回収されます。スタイルで見出しを指定した文書なら、このツリーで章を丸ごとドラッグして順序を変えられます。
置換はCtrl + Hです。MacではControl + Hで、Cmdではなく Controlであることが特徴です。Macアプリで Controlから始まる組み合わせは珍しいので、特に間違えやすいです。
コメントと変更履歴は共同作業の文書で一日に何十回も使うことになります。
| したいこと | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 置換 | Ctrl + H | Control + H |
| 新しいコメントを挿入 | Ctrl + Alt + M | Cmd + Option + A |
| 変更履歴の記録をオン・オフ | Ctrl + Shift + E | Cmd + Shift + E |
コメント挿入はWindowsがM、Macが Aなので対応関係がありません。二つのプラットフォームを行き来すると、ほぼ必ず間違える項目です。
変更履歴の記録トグルは知っておくと事故を防げます。校閲モードで受け取った文書を開いたまま、記録がオンだと気づかずに直すと、相手に修正履歴が丸ごと渡ってしまいます。逆に記録をオンにしたつもりがオフになっていて、変更内容が一つも残らないこともよくあります。文書を直す前にこのキーを一度押して状態を確認する習慣が安全です。
表はショートカットが単純です。Tabが次のセル、ShiftとTabが前のセルです。ここで知っておくべきは、最後のセルでTabを押すと行が一つ追加される点です。行を追加するためにリボンを探す必要がありません。逆に表のなかで実際のタブ文字を入れたいときは、CtrlとTabを一緒に押さなければなりません。
行のなかで最初のセルと最後のセルへジャンプする組み合わせも文書にあります。WindowsはAlt + HomeとAlt + End、MacはControl + HomeとControl + Endです。
PowerPoint・スライドとオブジェクト
ここから性格が変わります。テキストの流れではなく、スライドというコンテナとその上のオブジェクトを扱います。
規則を一つ先に立てると、残りが整理されます。PowerPointは今何が選択されているかによって同じキーが違う動作をします。 スライド縮小版ウィンドウでスライドが選択された状態と、スライドのなかでオブジェクトが選択された状態と、オブジェクトのなかでテキストを編集中の状態が、それぞれ別の世界です。ショートカットが予想と違う動きをしたら、たいてい今どの状態にいるか勘違いしています。Escを一度押すと一段階外に出ます。
スライド操作から見ていきます。
| したいこと | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 新しいスライド | Ctrl + M | Cmd + Shift + N |
| スライドの複製 | Ctrl + Shift + D | Cmd + Shift + D |
| スライドを上へ移動 | Ctrl + 上方向キー | Cmd + 上方向キー |
| スライドを下へ移動 | Ctrl + 下方向キー | Cmd + 下方向キー |
| アウトラインレベルの昇格 | Alt + Shift + 左方向キー | Cmd + 左角かっこ |
| アウトラインレベルの降格 | Alt + Shift + 右方向キー | Cmd + 右角かっこ |
新しいスライドが最初の落とし穴です。WindowsはCtrl + Mですが、MacはCmd + Shift + Nです。ところがCmd + Shift + NはWordでは標準スタイルの適用です。二つのアプリを行き来するMac利用者にとっては、同じ手の動きがアプリによってまったく違う仕事をするわけです。
スライドの複製は知名度の割に使われていません。似たようなスライドを何枚も作るとき、コピーと貼り付けをする代わりにこのキーを押すと、すぐ下に複製がその場でできます。レイアウトを保ったまま内容だけ変えていくとき、はるかに速いです。
アウトラインレベルの調整は、発表資料を作る方式自体を変えられる項目です。アウトライン表示で手が回る順序はこうです。
[タイトルを入力] → Enter → 降格 → [本文を入力] → Enter → [本文を入力]
↓
Enter → 昇格 → [次のスライドのタイトル] → 繰り返し
Windows 降格 = Alt + Shift + 右 昇格 = Alt + Shift + 左
Mac 降格 = Cmd + 右角かっこ 昇格 = Cmd + 左角かっこ
この四つの動作だけを繰り返せば、マウスを一度も使わずに20枚分の骨格ができます。デザインはその後の仕事です。スライドを一枚ずつ作りながら同時に飾ろうとすると、時間が何倍もかかります。
Macの昇格と降格が角かっこである点に注意してください。WindowsのAltとShiftと方向キーとは論理的なつながりがまったくありません。
次はオブジェクトです。
| したいこと | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 次・前のオブジェクトを選択 | Tab / Shift + Tab | Tab / Shift + Tab |
| オブジェクトをグループ化 | Ctrl + G | Cmd + Option + G |
| グループ解除 | Ctrl + Shift + G | Cmd + Option + Shift + G |
| オブジェクトの複製 | Ctrl + D | Control + D |
| 時計回りに15度回転 | Alt + 右方向キー | Option + 右方向キー |
| 反時計回りに15度回転 | Alt + 左方向キー | Option + 左方向キー |
| 選択ウィンドウを開く | Alt + F10 | 文書で確認できず |
| ガイドの表示・非表示 | Alt + F9 | Cmd + Option + Control + G |
| グリッド線の表示・非表示 | Shift + F9 | Shift + F9 |
| 拡大 | Ctrl + プラス | Cmd + プラス |
| 縮小 | Ctrl + マイナス | Cmd + マイナス |
| ウィンドウに合わせる | Ctrl + Alt + O | Cmd + Option + O |
Tabでオブジェクトを巡回するのが、この表でもっとも過小評価されている項目です。スライドが複雑になると、後ろに隠れたオブジェクトをマウスでつかめなくなります。クリックすると上にあるものがつかまれます。このとき何も選択されていない状態でTabを繰り返し押すと、すべてのオブジェクトを一つずつ順に選択していきます。重なったものもつかまります。
オブジェクトが多いときはWindowsの選択ウィンドウのほうが優れています。Alt + F10で開くと、スライド上のすべてのオブジェクトが一覧で出て、名前で選び、順序を変え、個別に隠せます。Mac用の組み合わせは今回確認した文書では見つかりませんでした。
オブジェクトの複製がMacではCmdではなくControlである点に注意してください。Macアプリでは非常に珍しい割り当てで、CmdとDを押しても何も起きなければこれが原因です。
PowerPoint・スライドショーの制御
発表中はショートカットを選ぶ余裕がありません。だからこのグループは数を絞って確実に手に馴染ませるほうがよいです。
開始から見ていきます。WindowsはF5が最初から、Shift + F5が現在のスライドからです。MacはCmd + Shift + Returnが最初から、Cmd + Returnが現在のスライドからです。リハーサル中は現在のスライドから始めるほうをはるかに頻繁に使うことになります。
発表者ツールはWindowsがAlt + F5、MacがOption + Returnです。この画面には次のスライドと発表者ノートと経過時間が一緒に表示され、観客の画面にはスライドだけが行きます。ノートPC一台で発表するとき、画面ミラーリングを切ってこのモードにしておくのが基本です。
| したいこと | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 最初から開始 | F5 | Cmd + Shift + Return |
| 現在のスライドから開始 | Shift + F5 | Cmd + Return |
| 発表者ツールで開始 | Alt + F5 | Option + Return |
| 次へ | N、Enter、Page Down、右・下方向キー、スペースバー | N、Page Down、右・下方向キー、スペースバー |
| 前へ | P、Page Up、左・上方向キー、バックスペース | P、Page Up、左・上方向キー、Delete |
| 特定のスライドへ | 番号を入力後Enter | 番号を入力後Return |
| 黒い画面 | B または ピリオド | B、Shift + B、ピリオド |
| 白い画面 | W または カンマ | W、Shift + W、カンマ |
| すべてのスライドダイアログ | Ctrl + S | 文書で確認できず |
| レーザーポインター | Ctrl + L | Cmd + L |
| ペン | Ctrl + P | Cmd + P |
| 矢印ポインターに戻る | Ctrl + A | Cmd + A |
| ショー終了 | Esc | Esc、ハイフン、Cmd + ピリオド |
この表で実際に発表を変える項目は二つです。
特定のスライドへ直接ジャンプです。質疑応答で「さっきの表をもう一度見せてください」という要望が来ると、たいていの人は方向キーを連打するか、スライドショーを終了して縮小版から探します。どちらも流れが途切れます。スライド番号を押してEnterを押せば即座に移動します。準備することは一つだけです。発表前に核心スライドの番号を三、四個覚えておくことです。WindowsではCtrl + Sですべてのスライドの一覧を開いて選ぶこともできます。
黒い画面です。Bを押すと画面が消えたように黒くなり、もう一度押すと戻ります。スライドから目を離して観客と対話しなければならない場面で使う機能です。視線が画面に縛られていると、誰も発表者を見ません。長く発表してきた人たちが共通して使う数少ないショートカットがこれです。
注意すべき項目が一つあります。スライドショー中はCtrl + Aがすべて選択ではなく矢印ポインターへ戻るであり、Ctrl + Pが印刷ではなくペンです。編集画面の常識が発表画面では通用しません。ペンで描いた後にショーを終えると、インクを保持するか尋ねるダイアログが出ますが、原本に触れたくないなら破棄するほうを選べばよいです。
二つのアプリが食い違う地点 — そして確認できなかったこと
ここまでは各アプリ内部の論理でした。この節は二つのアプリを一緒に使うときに事故が起きる地点です。
もっとも大きなものから話します。Ctrl + Shift + VがWordとPowerPointで正反対に動きます。
- Wordで
Ctrl + Shift + Vはテキストのみ貼り付けです。書式を捨てます。 - PowerPointで
Ctrl + Shift + Vは書式の貼り付けです。書式を入れます。
同じ手の動きが、片方では書式を消し、もう片方では書式を塗ります。そしてこれは古い割り当ての名残ではなく、現在の公式文書にそのまま載っている内容です。PowerPointの文書は「選択したオブジェクトやテキストにコピーした書式を貼り付ける」をCtrl + Shift + Vとして、Wordの文書は「テキストのみ貼り付け」を同じ組み合わせとして書いています。
書式のコピー側で見ると、三つのアプリがそれぞれ違う答えを出します。
| アプリ | 書式のコピー | 書式の貼り付け | 備考 |
|---|---|---|---|
| Word | Ctrl + Alt + C | Ctrl + Alt + V | MacはCmd + Option の組み合わせ |
| PowerPoint | Ctrl + Shift + C | Ctrl + Shift + V | MacはCmd + Shift の組み合わせ |
| Excel | ショートカット文書に項目なし | 項目なし | 形式を選択して貼り付けの書式項目を使用 |
この表がこの記事でもっとも実用的な一枚です。書式のコピーは三つのアプリすべてが持つ機能なのに、キーが統一されておらず、そのうち一つはまったく文書化されていません。アプリを移るたびに、動くか動かないか確認しなければならないということです。
プラットフォームを行き来すると頻繁に間違えるものも集めました。組み合わせが少し違うのではなく対応関係自体がない項目です。
| 機能 | Windows | Mac | なぜ間違いやすいか |
|---|---|---|---|
| Wordの新しいコメント | Ctrl + Alt + M | Cmd + Option + A | 文字がまったく違う |
| Wordの置換 | Ctrl + H | Control + H | MacなのにCmdではない |
| Wordの単語単位選択 | Ctrl + Shift + 方向キー | Shift + Option + 方向キー | 横はOption、縦はCmd |
| PowerPointの新しいスライド | Ctrl + M | Cmd + Shift + N | Wordの標準スタイルと衝突 |
| PowerPointのアウトライン昇格・降格 | Alt + Shift + 方向キー | Cmd + 角かっこ | 論理的なつながりなし |
| PowerPointのオブジェクト複製 | Ctrl + D | Control + D | MacなのにCmdではない |
| PowerPointのグループ化 | Ctrl + G | Cmd + Option + G | MacにOptionがもう一つ付く |
| PowerPointのガイド | Alt + F9 | Cmd + Option + Control + G | まったく違う組み合わせ |
最後にこの記事を書きながら公式文書で確認できなかった項目を明らかにしておきます。確実でないものを確実であるかのように書くほうが、リストを増やすことより有害だからです。
- PowerPointのオブジェクト整列・配分のショートカット。今回確認した文書に項目がありません。リボンやクイックアクセスツールバーに登録してAltキーヒントでアクセスするほうが確実です。
- PowerPointのセクション追加とセクションの折りたたみ・展開のショートカット。文書にありません。
- PowerPointの図形の書式設定ウィンドウを開くショートカット。文書にありません。
- Mac版PowerPointの選択ウィンドウのショートカット。Windowsの
Alt + F10に該当する項目を文書で見つけられませんでした。 - Mac版PowerPointのすべてのスライドダイアログ。Windowsの
Ctrl + Sに該当する項目がMacの節にありません。 - Windows版Wordの形式を選択して貼り付けダイアログの組み合わせ。Macの
Cmd + Control + Vは文書で確認できましたが、Windows側の対応項目は今回の確認範囲では見つけられませんでした。 - Mac版Wordで
Ctrl + スペースバーが実際に動作するか。文書にはありますが、macOSのシステムショートカットと衝突する環境が多く、利用者の設定によって変わります。 - ダイアログのなかで項目を選ぶ下線文字とAltキーヒント文字。これらは画面の言語に従います。 英語基準で紹介された文字を日本語版Officeでそのまま押すと、違う項目が選ばれます。文字を覚えるのではなく、画面に出たものを見て押してください。
MacでF系列のキーが期待どおりに動かなければFnを一緒に押すか、macOSのシステム設定でFキーを標準の機能キーとして使うよう変えてください。PowerPointのAlt + F9やShift + F9のようにFキーが入った組み合わせをよく使うなら、この設定を変えておくほうがよいです。
おわりに — 五つだけ選ぶなら
全部覚えようとすると何も残りません。最初の2週間で五つだけ選ぶなら、これを勧めます。
Wordでは見出しスタイルの適用(Ctrl + Alt + 1から3まで)、テキストのみ貼り付け(Ctrl + Shift + V)、そして書式のコピーと貼り付け(Ctrl + Alt + CとCtrl + Alt + V)です。PowerPointではアウトラインレベルの昇格と降格、そして発表中に特定のスライドへ直接ジャンプすることです。
この五つを選んだ基準は使用頻度ではなく働き方を変えるかどうかです。スタイルを使い始めると文書を後で直すコストが変わり、アウトライン表示で骨格を先に組むとスライドを作る順序が変わります。反対に太字や斜体のようなものは一日に十回押しても働き方はそのままです。
そしてこの記事で伝えたかったのは一覧ではなく、二つのアプリの性格の違いです。Wordは流れるテキストを単位で扱い、書式はスタイルという名前を通じて扱います。PowerPointはキャンバス上のオブジェクトを選択状態に応じて扱います。この違いを知れば、初めて見る機能もどこにありそうか見当が付きます。
一行にまとめるとこうです。Wordでは名前を付け、PowerPointでは何が選択されているかを見てください。