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필사 모드: Markdownプレゼンテーションツール 2026 — Marp / Slidev / RevealJS / Spectacle / Gamma / Beautiful.ai / iA Presenter 徹底比較

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プロローグ — なぜまたプレゼンツールの記事か

2026年でも我々はプレゼンをする。社内ウィークリー、カンファレンスのキーノート、顧客デモ、投資家へのピッチ、博士論文の公聴会 — 形は違っても、結局は誰かが前に立ってスライドを送る。そしてそのスライドを作るツールは、この5年で静かに、しかし決定的に変わった。

大きな変化は3つ。

- **Markdownが開発者プレゼンの標準になった。** MarpとSlidevが二大柱で、RevealJSはOGとして生き残った。「PowerPointを開いて文字を打つ」というワークフローは、少なくともエンジニアの間ではほぼ消えた。

- **AIスライドツールが一度整理された。** Tomeは2024年に終了、Gammaが生き残ってシリーズBを獲得。Beautiful.ai・Decktopus・SlidesGPTはそれぞれ別の角度で生存し、Plus AIは「Google Slidesアドオン」という賢いポジションを取った。

- **クラシックは死ななかった。** Keynote・PowerPoint・Google Slidesは依然、非開発者領域の標準。Microsoft CopilotがPowerPointに深く入り込み、「Gamma的なAIプレゼン」はビルトイン機能になりつつある。

本稿は14章にわたってその風景を描く。誰が何を得意で、何が苦手で、2026年にどんなプレゼンをどのツールで作るべきか — 最後にコードデモ・学術・マーケ・役員プレゼンの4ペルソナで整理する。

1章 · 2026年Markdownプレゼンの地図 — 4陣営

ツールを一列に並べると比較にならない。まず4陣営に分類する。

| 陣営 | 入力 | 出力 | 代表ツール |

| --- | --- | --- | --- |

| **CLI / Markdown** | .md / .mdx | HTML, PDF, PPTX | Marp, Slidev, Quarto, Remark.js |

| **Web / フレームワーク** | JS/TS, JSX, Vue | HTML | RevealJS, Spectacle, Eagle.js, deck.js |

| **AI生成** | 自然言語プロンプト | Webスライド | Gamma, Beautiful.ai, SlidesGPT, Decktopus, Plus AI |

| **クラシックGUI** | マウス + キーボード | .pptx, .key, GSlides | PowerPoint, Keynote, Google Slides, iA Presenter |

この分類も完璧ではない。Slidevは「CLI Markdown」でもあり「Vueコンポーネント」でもあるので1・2陣営にまたがる。Plus AIは「AI生成」だが結局Google Slides上で動く。それでもこの4陣営を頭に入れてからツールを見ると差が見える。

**CLI/Markdown陣営**の核は「バージョン管理とdiffが効く」。`git push`一発でスライドがデプロイされ、PRでスライドをレビューし、同じ.mdからPDF・HTML・PPTXがビルドされる。開発者が好まないわけがない。

**Web/フレームワーク陣営**は「コードでスライドを書く」。RevealJSはHTMLで、SpectacleはReactで、deck.jsはその中間。Markdownより自由度が高くモーション・インタラクションも強いが学習コストはある。

**AI陣営**は2022–2024年に爆発し、2025年に一度整理された。生き残ったツールの共通点は「プロンプトを投げるとデザイン済みスライドが出る」、差は品質・価格・統合ポジション。

**クラシックGUI陣営**は死んでいない。役員・営業・マーケの7割以上は今もPowerPoint・Keynote・Google Slidesを使う。2026年の変化はこの陣営にAI Copilotが深く埋め込まれたこと。

2026年のトレンドは**4陣営がお互いの領域に侵入中**ということ。SlidevがAI統合を入れ、Gammaが.pptxエクスポートを強化し、PowerPointがDesigner + Copilotで「AI生成」をビルトイン化する。だから「どのツールを使うか」より「どのワークフローが自チームに合うか」が問いになる。

2章 · Marp (Microsoft) — 最も人気のCLI + VSCode

Marpは日本人開発者 服部 雄輝(Yuki Hattori)が2017年頃に始めたMarkdownスライドフレームワーク。2019年にMicrosoftが彼を雇用し、Marpは事実上Microsoft傘下のプロジェクトとなった。MITライセンス、GitHubスター1.5万以上。

**なぜMarpが1位になったか。** 3つの決断が決定的だった。

1. **VSCode拡張。** 公式のmarp-team VSCode拡張は右パネルにライブプレビューを表示する。IDEを離れずにスライドを作れる。

2. **シンプルなMarkdown文法。** `---`でスライドを区切る。それで全て。HTMLタグ、ディレクティブ、テーマ宣言(`marp: true` + `theme: gaia`)はオプション。

3. **マルチ出力。** marp-cli一発でHTML/PDF/PPTX/画像が出る。PPTX出力があることは、社内の役員に.pptxを渡さねばならない韓国・日本の文脈で決定的なアドバンテージだった。

**基本的な使い方。** MarpのMarkdownはこう。

marp: true

theme: gaia

paginate: true

チーム2026ロードマップ

著者 · 2026-05-16

Q1 — 検索リニューアル

- インデックス再設計

- ランキングモデルV3

- p99 200ms

Q2 — 推薦システム

- Two-Towerモデル

- リアルタイム特徴量

CLIはこう使う。

npx @marp-team/marp-cli@latest deck.md --pdf

npx @marp-team/marp-cli@latest deck.md --pptx

npx @marp-team/marp-cli@latest deck.md --html

npx @marp-team/marp-cli@latest deck.md --server

**テーマ。** ビルトインは `default`、`gaia`、`uncover` の3つ。軽いカスタマイズはMarkdown内の `<style>` タグ、重いカスタマイズは別CSSファイルで行う。marp-themesのようなコミュニティテーマも存在。

**弱点。** 自由度が低い。複雑なモーションやインタラクションが要るならSlidevかRevealJSが向く。ビルトインコンポーネントはなく、チャートやダイアグラムは画像かMermaidコードブロックで処理(MarpはMermaidを直接レンダリングしない。プラグインかビルド前変換が必要)。

**いつMarpか。**

- 「PowerPointの代わりにMarkdownで素早くスライドを作る」 — Marpが最速。

- 社内に.pptxで共有する必要がある → PPTX出力の品質が最も安定。

- VSCodeに慣れている → 拡張 + Markdownだけで完結。

3章 · Slidev (Anthony Fu) — Vue + AI統合

SlidevはVueコアメンバーのAnthony Fuが2021年に作ったMarkdownスライドツール。Vite・Vue 3上に乗り、「開発者のためのスライド」というスローガンを明示する。MITライセンス、GitHubスター3万以上。

**なぜSlidevが急成長したか。** Marpが「シンプルさとPPTX互換」で伸びたとすれば、Slidevは「美しさとコード親和性」で伸びた。

1. **Vueコンポーネント統合。** スライドにコンポーネントをそのまま埋める。自分でVue SFCを書いてインポートしてもOK。

2. **Shikiベースのコードハイライト。** 開発者プレゼンの8割はコードスライド。SlidevはVS Codeと同じShikiを使うので、IDEと同じ見た目で出る。行ハイライト、diff、magic-move(コードが滑らかに変形するモーション)まで対応。

3. **Vite HMR。** スライドを書き換えると100msで反映される。発表直前の秒単位の調整が現実的。

4. **ビルトイン手描き / Presenter Mode。** 発表中に画面に絵を描いたり、発表者モードで次のスライド・ノート・タイマーを同時に見られる。

**基本的な使い方。**

npm init slidev@latest my-slides

cd my-slides

npm run dev

`slides.md` はこう。

theme: seriph

layout: cover

background: https://images.unsplash.com/photo-1605379399642-870262d3d051

チーム2026ロードマップ

Anthony Fu · 2026-05-16

layout: two-cols

Q1 検索リニューアル

- インデックス再設計

- ランキングV3

::right::

const score = (q, d) => bm25(q, d) * 0.6 + neural(q, d) * 0.4

layout: center

ここにYoutube埋め込みコンポーネントを置く。

**AI統合 (2025–2026)。** Slidev 0.50系から「AI統合」ワークフローが入った。要点は2つ。

- **Slidev MCP / Copilot統合。** GitHub Copilot Chatが slides.md のコンテキストを理解し、「このスライドの次に比較表を1枚追加して」と指示するとMarkdownで生成する。

- **画像 / イラスト自動生成。** 表紙や章扉のスライド背景をテキストプロンプトから生成し、Slidevがそれをキャッシュする。

**テーマ。** ビルトインは `default`、`seriph`、`apple-basic`、`bricks`、`shibainu` など。NPMに100以上のコミュニティテーマがある(検索: `slidev-theme-*`)。

**弱点。** PPTXエクスポートが弱い。「1スライド1画像でPPTX化」はできるが、テキスト編集可能な本物のPPTXではない。社内に.pptxで渡すならMarpが優位。Vueを知らないと若干の壁がある(Markdownだけでも十分作れるが、本当の強みはコンポーネントにある)。

**いつSlidevか。**

- カンファレンストーク、技術デモ — コードとモーションが核。

- HTMLで配布し、発表後にGitHub Pagesに残す。

- Vueを知っている / 学べる、かつ美しいデザインが重要。

4章 · RevealJS — 元祖

RevealJSはHakim El Hattabが2011年に作ったHTMLプレゼンフレームワーク。「Webスライドの元祖」と呼べる。MITライセンス、GitHubスター6.8万 — このカテゴリ最多。

**なぜRevealJSか。** 15年近く生き残った理由は明確。

1. **純粋なHTML/CSS/JS。** ビルドツールなしで.htmlファイル1つで動く。GitHub Pagesに置けば完成。

2. **垂直・水平スライド。** スライドを2次元に配置する。1つのトピックを深掘りする時は下方向に降りる、というスタイル。

3. **プラグインエコシステム。** Markdown、Highlight.js、MathJax、Notes、Search、Zoomなど公式プラグインが揃い、コミュニティプラグインも厚い。

**基本的な使い方。**

<!DOCTYPE html>

Q1 — 検索リニューアル

- インデックス再設計

- ランキングV3

**Slides.com — RevealJSのSaaSホスティング。** Hakim本人が作ったSaaS。RevealJSをGUIエディタで作ってホストする。個人無料、チーム有料。RevealJSのコマーシャルモデルとして機能。

**弱点。** 「元祖」の陰がある。ツールが古いのでデザイントレンドが少し古め、Marp/SlidevのMarkdown-first UXに比べて執筆が手間。ユーザーは毎回「自前HTMLビルド / Markdownインポート / GUI」のどれを選ぶか決める必要がある。

**いつRevealJSか。**

- 15年の安定性、フルコントロール、プラグインエコシステムが重要。

- Slides.comでホストしGUIで編集 — 非開発者と協業する場合。

- MarkdownよりHTMLが馴染む(デザイナー出身など)。

5章 · Spectacle (Formidable) — React + Theatre.js

Spectacleは米国 Formidable Labs(Nearformが2023年に買収)が2016年に作ったReactベースのプレゼンライブラリ。MITライセンス、GitHubスター9.7千。

**なぜSpectacleか。** React陣営でスライドを作るならほぼ唯一の選択肢。

1. **JSXでスライドを書く。** スライド1枚 = Reactコンポーネント1つ。馴染んだJSX文法で書ける。

2. **タイポグラフィ。** フォント・余白・リズムのデフォルトが良い。デザイナーが作ったツールという感じ。

3. **ビルトインコンポーネント。** Heading、Text、ListItem、Image、CodePane(行ハイライト対応)など。

**Theatre.js統合 (2024–2026)。** Spectacleの後期バージョンからTheatre.jsとの統合が強くなった。Theatre.jsはコードで作ったReactコンポーネントに「タイムラインベースのモーション」を載せるツール。After Effectsのキーフレームをコードに対して打てるイメージ。Spectacle + Theatre.jsで「コード駆動の発表資料に映画品質のモーション」が可能になる。

**基本的な使い方。**

const Presentation = () => (

)

**MDX対応。** SpectacleはMDXを一級市民として扱う。.mdxでスライドを書くと、MarkdownとJSXコンポーネントが自然に混ざる。

**弱点。** Reactの壁。Reactを知らない人には勧められない。PPTXエクスポートは事実上ない(ブラウザレンダリング → 画像 → PPTX程度)。カンファレンストークには良いが社内共有には不向きなことが多い。

**いつSpectacleか。**

- Reactフルスタックチームのカンファレンストーク。

- モーション・インタラクションをコードで書く必要 → Theatre.js統合。

- MDX親和性 — Next.jsブログ / Docusaurusと併用しやすい。

6章 · Quartoプレゼン — 学術

QuartoはRStudio(現Posit)が2022年にリリースした次世代ドキュメントシステム。R Markdownの後継であり、それ以上のもの。R・Python・Julia・Observable JSのコードブロックを実行して結果を文書に埋め込む「実行可能ドキュメント」の標準で、その出力の1つがスライド。

**Quartoのスライド出力。** メジャーフォーマットは2つ。

- **revealjs** — RevealJSの上に乗る。HTMLスライド、Web配布。

- **beamer** — LaTeX Beamerで出力。PDF、学会の標準。

さらに **pptx** 出力もあり、社内共有用のPowerPointも一発で出せる。

**基本的な使い方。**

title: "博士公聴会: 分散合意アルゴリズム"

author: "著者名"

format:

revealjs:

theme: serif

incremental: true

研究の問い

なぜRaftはPaxosより理解しやすいのか。

実験結果

library(ggplot2)

ggplot(results, aes(x = latency_ms, y = throughput)) + geom_point()

結論

コードブロックが実際に実行される。Rのグラフがスライド内に埋め込まれる。Python・Juliaも同様。

**なぜ学術界がQuartoに移ったか。** R Markdown時代からのユーザーがそのまま移行した。「再現可能な研究」の原則と合致し、同じ.qmdから論文(PDF)・ブログ(HTML)・発表(スライド)を全て出せる。Posit Connectという社内ホスティングソリューションもあり、コンプラ要件の厳しい環境(製薬・銀行)でも使える。

**弱点。** R/Pythonを知らないと意味が半減する。デザインが学術寄りなのでマーケスライドには不適。LaTeXが必要な出力(beamer/pdf)はセットアップが面倒。

**いつQuartoか。**

- 学会発表、博士公聴会 — ほぼ標準。

- R/Pythonデータアナリストの発表 — コードとグラフが自動更新。

- コンプライアンス要件が厳しくGammaのようなクラウドツールが使えない。

7章 · Eagle.js / deck.js / Remark.js / MDX Deck — その他の選択肢

このカテゴリには、かつて人気だったが今はメイン路線から外れた、あるいは特定ニッチに残ったツールがある。

**Remark.js (2014–)。** Lennart Wittkuhnが作ったMarkdownスライドライブラリ。単一の.htmlに.mdを埋め込む方式。RevealJSより軽量。GitHubスター約1.2万。2020年以降は活発な開発は少ないが、「シンプルさが美徳」のユーザーが今も使う。

**MDX Deck (2018–2022、終了)。** Brent Jacksonが作ったMDXベースのスライド。React + MDXの初期実験だった。2022年以降は事実上メンテなし。SpectacleがMDXを吸収して自然死。後継はSpectacle MDXとSlidev。

**GitPitch (2017–2021、終了)。** GitHubリポジトリの`PITCHME.md`をスライドとしてホストするSaaSだった。2021年にシャットダウン。「git pushでスライドを配布」というワークフローは良かったが、その席をGitHub Pages + Marp/Slidevが直接埋めた。

**Eagle.js (2015–)。** Vue 1.x時代に生まれたスライドライブラリ。ユーザー数は極小。SlidevがVue 3時代の事実上の後継。

**deck.js (2011–)。** RevealJSとほぼ同時期に出たHTMLプレゼンライブラリ。2010年代前半はRevealJSと二強だったが、今はほぼメンテなし。新規プロジェクトで採用する理由はない。

**WebSlides、Impress.js。** Impress.jsは「Preziのようなズーム/回転」をHTMLで実装したライブラリ。視覚的に印象的だがユーザーは少ない。WebSlidesは軽量HTMLプレゼンフレームワーク。両方とも生きてはいるがメインではない。

**まとめ。** この章のツールの共通結論は「昔は良かったが今はMarp/Slidev/RevealJSがその席を占めている」。新規プロジェクトで採用する理由はほぼない。ただし既存コードベースを保守するならRemark.jsは今も生きていて安定。

8章 · iA Presenter — Mac専用ミニマル

iA Writerで有名なドイツのiA(Information Architects)が2023年にリリースしたMac専用プレゼンアプリ。iA Writerのミニマリズム哲学をスライドにそのまま持ち込んだ。

**哲学。** 「デザインを気にするな、文章に集中せよ」。スライドのデザインをユーザーに委ねない。フォント・余白・色・整列は全てアプリが決める。ユーザーはMarkdownだけ書く。

**主な差別化。**

- **自動レイアウト。** スライドに1文だけ書けば中央に大きく、5項目書けばリスト、画像を入れれば自動配置。位置を触らない。

- **Talk Mode。** スライド横に発表者ノートとタイマー。核心に集中せよというメッセージが明確。

- **PDF/Keynote/PPTXエクスポート。** 出力は標準フォーマット。

**価格。** 買い切り + アップグレードモデル。2026年時点で約39ドル(地域による)。SaaS購読が嫌なユーザーに刺さる。

**弱点。** Mac専用(iPad版はあるがWindows・Linuxはなし)。デザイン自由度はほぼ0(これが長所であり短所)。社内共有用の.pptxエクスポートは無難。

**いつiA Presenterか。**

- 「デザインに時間を使いたくない、文章に集中したい」 — ミニマリスト。

- Macユーザー、頻繁にスライドを作るが派手である必要はない — 社内ウィークリー・教育・講演。

- SaaS購読に抵抗がある。

9章 · AIプレゼン — Gamma / Beautiful.ai / SlidesGPT / Decktopus

2022–2024年にAIスライドツールは爆発し、2025年に一度整理された。2026年現在、生き残ったツールの地図を見る。

Gamma — シリーズB獲得の1位

Gamma(米国)は2022年創業、2024年にシリーズB調達。「プロンプト1行でデッキ1セット」を最もうまく実装したと市場に認められた。

特徴:

- **カードベースUI。** 伝統的な16:9スライドではなく「スクロール可能なカード」から始まった。発表用に16:9モードもあるが出発点が違う。

- **プロンプト → フルデッキ。** 「B2B SaaSスタートアップのシリーズAピッチデッキ、ARR 200万ドル」 → 8〜10枚が1分以内に出る。

- **画像生成統合。** スライドテキストに合うイラストを自動生成。

- **PPTX/PDFエクスポート。** 結果を標準フォーマットで取り出して別ツールで編集可能。

価格: 無料(制限あり)、Plus月10ドル、Pro月20ドル、Business月30ドル(2026年5月時点)。

Beautiful.ai — デザイン自動化

Beautiful.ai(米国)は2017年創業、ある意味「AIスライドの元祖」だ。当時の「AI」は「スマートテンプレート」に近かった。コンテンツを入れるとデザインが自動的に再調整される(要素を追加するとレイアウトが組み直される)。

2023–2025年にLLM統合を本格化し「AIデッキ生成」も追加。Gammaより伝統的な16:9に近く、「企業/チーム環境」にポジションする。

価格: Pro月12ドル、Team月40ドル/席。

SlidesGPT — 軽量GPTラッパー

SlidesGPT(名前そのものがコンセプト)はOpenAI APIを直接ラップしてスライドを作る軽量ツール。無料枠が太く、結果がPPTXで即ダウンロード。デザイン品質はGamma・Beautiful.aiより落ちるが速くて安い。

Decktopus — ビジネス特化

Decktopus(トルコ拠点)はビジネスプレゼン(ピッチデッキ、セールスデッキ、レポート)に特化したAIツール。「発表後のQ&A自動生成」「発表者ノート自動執筆」などビジネス親和の機能が強み。

Tome — 2024年シャットダウン

Tome(米国)は2020年創業、2023年にシリーズB調達で約7億ドルのバリュエーション。結果が美しくモバイルアプリが強かった。だが2024年後半にシャットダウンを発表。無料/有料ユーザーにデータダウンロード期間を与えてサービスを終了。理由は明示されなかったが「有料転換率が低く、Gammaが市場を取り、自前のビジネスモデルが見つからなかった」が一般的な分析。

Tomeのシャットダウンはこのカテゴリへの警告だった。AIスライドは参入障壁が低く、「綺麗」だけでは生き残れない。

比較表

| ツール | 強み | 弱み | 価格(月) | 誰向け |

| --- | --- | --- | --- | --- |

| **Gamma** | カードUI、プロンプト→デッキ、画像生成 | 16:9発表が主軸でない | 無料/10/20/30 | スタートアップピッチ、レポート |

| **Beautiful.ai** | デザイン自動整列、企業向け | 価格 | 12/40 | セールス/マーケチーム |

| **SlidesGPT** | 速い、安い | デザイン品質 | 無料/低価格 | 早い初稿 |

| **Decktopus** | ビジネス特化機能 | デザイン平凡 | 9.99/20 | セールス/ピッチデッキ |

| **Tome** | (終了) | — | — | — |

共通の弱み

AIスライドの共通弱点は2つ。

- **独自性が低い。** 同じプロンプトが似たスライドを生む。カンファレンストークやキーノートには不向き。

- **編集コスト。** 初回生成は速いが、ディテール修正をGUIで一つずつ触る必要がある。Markdownツール比で効率が落ちる。

10章 · Plus AI for Google Slides — 既存ツール + AI

Plus AI(米国 Plus Docs)はGoogle Slidesのアドオン形式でAIを提供する。「Google Slidesを離れずにAIを使う」という賢いポジショニング。

**なぜこれが賢いか。** 企業の8割は既にGoogle WorkspaceかMicrosoft 365を使っている。その中で働く人に「新ツールへ移行を」は大きな摩擦。Plus AIはその摩擦を消す。

**主な機能。**

- **プロンプト → Google Slidesデッキ生成。** 「Q1営業レビュー、12枚」のような自然言語でスライドを作る。結果が本物のGoogle Slidesファイルなので共有・編集・コメントワークフローが生きる。

- **スライド単位のAI編集。** 既存スライドを選んで「もっと簡潔に」「データビジュアル追加」などの指示。

- **Snapshot。** ライブデータ(BigQuery、Salesforce)をスライドに埋め込む。

**価格。** 無料トライアル、Pro月15ドル/席、Enterpriseは別途。

**競合。** GoogleがGeminiをSlidesにビルトインで入れているので、Plus AIの席が狭まる可能性がある。ただしPlus AIはより強いワークフロー(テンプレート、一括生成、データ統合)で差別化を狙う。

**類似ツール (PowerPoint側)。**

- **Microsoft Copilot for PowerPoint。** PowerPoint内でAIによるスライド生成・編集。M365ライセンスに含まれる機能。

- **Presentation.AI。** サードパーティだがPowerPointエクスポートが強い。

**誰に向くか。**

- 企業ユーザー、Google Workspace標準環境。

- 「チーム全員がGammaに移れない、Google Slidesに残りたい」。

- 役員・セールス — スライド共有・コメントワークフローが重要。

11章 · Tome (RIP 2024) — 短い栄光

Tomeの物語は1章を割いて整理する価値がある。2020年代のAIスライドバブルの最も象徴的な事例だからだ。

**誕生。** 2020年、Adobe出身のデザイナーが創業。「ストーリーテリング中心のプレゼン」を掲げ、伝統的な16:9の箱から抜けて、スクロール可能な「タイル」UIを作った。

**全盛期 (2022–2023)。** OpenAIがChatGPTを公開した直後、TomeはGPT-3を最速で統合したスライドツールの1つ。「プロンプト1行でデッキ1セット」が初めて現実になった時期。シリーズBで約7億ドルのバリュエーションを得た。日本・韓国でもインディハッカーやデザイナーの間で急速に広まった。

**問題 (2024)。** 無料ユーザーは急増したが有料転換率は低かった。出力は綺麗だが「これで何をするのか」が不明確だった。カンファレンス発表はRevealJS/Slidevが取り、役員報告はPowerPoint/Google Slidesから出なかった。デザイン自由度が低くマーケチームのディテールを満たせなかった。

**シャットダウン (2024年後半)。** Tomeは「サービス終了」を告知し、無料/有料ユーザーにデータダウンロード期間を与えた。一部の機能や人材は他社が引き継いだという推測はあるが公式発表は限定的だった。

**3つの教訓。**

1. **AIはツールの十分条件ではない。** 「AIでスライドを作る」自体は差別化にならない。同じ技術をGoogle・Microsoftがビルトインで載せられる。

2. **有料転換モデルがないと生き残れない。** 無料ユーザー数は問題ではなく、有料に行く具体的な理由(ワークフロー・統合・コンプラ)が必要。

3. **ポジショニングが揺れると死ぬ。** Tomeは「プレゼンツールか、ストーリーテリングツールか、デザインツールか」が最後まで曖昧だった。

12章 · Keynote / PowerPoint / Google Slides — 非Markdownのクラシック

本稿はMarkdownツール中心だが、2026年でもスライドの7割以上はここで作られる。クラシック3強も整理する。

Keynote (Apple)

- **強み。** 美しさ。フォント・トランジション・モーションのデフォルトが最良。Magic Move(スライド間の滑らかな遷移)は基準。iPadでApple Pencilを使った手書き/スケッチが可能。

- **弱み。** Mac/iPad/iCloud専用。Windows・Linuxで編集不可。会社がGoogle Workspaceだと協業が不便。

- **誰向け。** デザイナー、1人で発表する人、Appleエコシステム。

PowerPoint (Microsoft)

- **強み。** 地球上のあらゆるOS・デバイスで開ける。30年分のテンプレート・プラグイン。Microsoft Copilot統合で「プロンプト → スライド初稿」が2024–2026年に深化。PowerPoint Designerがスライドを自動デザイン。

- **弱み。** ディテールが重い。協業がGoogle Slidesより遅い(改善中)。

- **誰向け。** 企業標準、社内報告、IR/投資家資料、グローバルカンファレンス。

Google Slides

- **強み。** 同時編集・コメントが最もスムーズ。無料。URL共有。Plus AI / GeminiがAI機能を埋める。

- **弱み。** デザイン自由度がPowerPoint/Keynoteよりやや低い。フォントオプションが狭い。

- **誰向け。** スタートアップ、分散チーム、社内ウィークリー。

クラシック3強の2026変化

最大の変化は **AIがビルトインで埋め込まれた** こと。Microsoft CopilotはPowerPointを事実上「Gamma的ツール」にする。Google GeminiはSlidesで同じことをする。この流れが続けば2027–2028年に独立系AIスライドツールの価値はさらに狭まる可能性がある。

13章 · 韓国 / 日本 — カカオスライド、ピクシブ、CyberAgentのプレゼン文化

韓国・日本のプレゼン文化はグローバルトレンドと少し違う。整理する。

韓国

- **社内報告はPowerPointが絶対標準。** 大企業・金融・公共は.pptxが必須。フォント(マルグン ゴシック/ナヌム)、整列、色まで会社テンプレートが決まっている。Marpが韓国の開発者の間で急速に広まった理由の1つは.pptxエクスポート品質が安定していること。

- **カカオ・Naver級IT企業の開発者発表。** `if(kakao)`、DEVIEW(Naver)などのカンファレンスで発表者はMarp・Slidev・RevealJSをよく使う。発表資料をGitHubで公開する文化が定着。

- **AIスライドはまだ初期。** Gamma・Beautiful.aiが韓国語入力に対応しているが、韓国語フォント/デザインのディテールが弱い。Toss・Karrotのようなデザインが強い会社は今もFigma + PowerPoint/Keynoteで直接作る。

- **カカオスライド / Naverスライド。** Google Slidesの韓国型代替としてKakaoWorks・Naver Workplace内にスライドツールがあるが、利用量はGoogle Slides比で僅か。

日本

- **PowerPointが圧倒的標準。** 韓国より保守的。大企業・官公庁・SIerは.pptxで全てを行う。スライドマスターテンプレートが非常に詳細に定義されている会社が多い。

- **開発者発表はMarp + Slidevが二強。** Marpメインテイナーの服部 雄輝が日本人であることも関係している。日本の技術カンファレンス(YAPC、RubyKaigi、JSConf JP)でMarp/Slidev発表が一般的。

- **ピクシブ(Pixiv)社内プレゼン文化。** ピクシブは社内LT(Lightning Talk)と技術ブログ文化が強い。発表資料をSpeaker Deckにアップロードする文化が定着。

- **CyberAgentのプレゼン文化。** CyberAgentは社内技術共有文化が強いことで有名。AI事業本部発表、技術ブログ(CyberAgent Developers Blog)で発表資料を公開し、Marp/Slidev利用が多い。

- **Speaker Deck。** 日本で最も使われる発表資料共有プラットフォーム(本体は米国だが日本のシェアが高い)。PDFアップロードで共有するモデル。

グローバル vs 韓国・日本

| 領域 | グローバル | 韓国 | 日本 |

| --- | --- | --- | --- |

| **社内報告** | PowerPoint / Google Slides | PowerPoint | PowerPoint |

| **開発者カンファレンス** | Slidev / RevealJS / Keynote | Marp / Slidev / Keynote | Marp / Slidev |

| **AIスライド** | Gamma、Plus AI | 初期 | 初期 |

| **共有プラットフォーム** | SlideShare(衰退)、Notion | GitHub Pages | Speaker Deck |

| **スタートアップピッチ** | Keynote、Pitch.com | Keynote、PowerPoint | Keynote、PowerPoint |

14章 · 誰が何を選ぶべきか — 4ペルソナ

最終章。ツール比較は結局「私は誰で何をするのか」に帰着する。4ペルソナで整理する。

ペルソナA: カンファレンストーク / コードデモ

- **1位: Slidev** — Shikiコードハイライト、magic-move、Vueコンポーネント。

- **2位: Marp** — もっと速く作りたく、.pptxも必要なとき。

- **3位: RevealJS** — フルコントロールが必要でHTMLが書けるなら。

- **避けるべき:** Gamma・Beautiful.ai(コードスライドが弱い)、PowerPoint(テキスト発表だけならOKだがコードは非推奨)。

ペルソナB: 学術 / 博士公聴会 / 研究発表

- **1位: Quarto** — R/Pythonグラフ自動実行、beamer/revealjs両出力。

- **2位: RevealJS + MathJax** — 数式多めコード少なめ。

- **3位: Beamer (LaTeX直書き)** — 伝統的、形式が厳しい学会。

- **避けるべき:** Gamma(精度・再現性不足)、Slidev(学界での認知度低)。

ペルソナC: マーケティング / セールス / ピッチデッキ

- **1位: Gamma** — 速い初稿、画像自動生成。

- **2位: Beautiful.ai** — デザイン整列自動化。

- **3位: Keynote** — モーション・美しさが決定的なキーノート。

- **避けるべき:** Marp・Slidev・RevealJS(マーケデザイナーが編集できない)、Quarto。

ペルソナD: 役員報告 / 社内発表 / 四半期レビュー

- **1位: PowerPoint + Copilot** — 会社標準、AIアシスト、社内共有ワークフロー。

- **2位: Google Slides + Plus AI / Gemini** — Google Workspace環境。

- **3位: Marp + PPTXエクスポート** — 開発者出身PMがMarkdownで速く書いて.pptxで役員に届ける。

- **避けるべき:** Slidev(.pptxエクスポート弱)、Spectacle(協業不可)。

ワンライナーの意思決定

- **開発者、コード発表、HTML出力OK** → **Slidev**。

- **開発者、テキスト/一般発表、.pptx必要** → **Marp**。

- **研究者、コード + グラフ + 論文みたいな.qmd** → **Quarto**。

- **役員・セールス・マーケ、速い初稿、AI** → **Gamma**。

- **企業標準、Google Workspace** → **Google Slides + Plus AI**。

- **企業標準、M365** → **PowerPoint + Copilot**。

- **ミニマル、Mac、文章に集中** → **iA Presenter**。

- **フルコントロール、プラグインエコシステム** → **RevealJS**。

- **Reactフルスタック、モーション重視** → **Spectacle + Theatre.js**。

最後の一行

2026年の真実: **「1ツールで全プレゼンをする」はほぼ不可能。** 同じ人がカンファレンスではSlidev、社内報告はPowerPoint、速い初稿はGammaを使うのが普通。ツールは内容の形と聴衆によって変わる。

ツールを統合しようとせず、**状況に合うツールを選んでワークフローを定義する**のがベストプラクティス。

参考 / References

- Marp — https://marp.app/

- Marp GitHub — https://github.com/marp-team/marp

- Marp CLI — https://github.com/marp-team/marp-cli

- Marp for VS Code — https://github.com/marp-team/marp-vscode

- Slidev — https://sli.dev/

- Slidev GitHub — https://github.com/slidevjs/slidev

- Anthony Fu (Slidev 創始者) — https://antfu.me/

- RevealJS — https://revealjs.com/

- RevealJS GitHub — https://github.com/hakimel/reveal.js

- Slides.com — https://slides.com/

- Spectacle (Formidable / Nearform) — https://commerce.nearform.com/open-source/spectacle/

- Spectacle GitHub — https://github.com/FormidableLabs/spectacle

- Theatre.js — https://www.theatrejs.com/

- Quarto — https://quarto.org/

- Quarto presentations — https://quarto.org/docs/presentations/

- Posit (旧 RStudio) — https://posit.co/

- Remark.js — https://remarkjs.com/

- MDX Deck (archived) — https://github.com/jxnblk/mdx-deck

- GitPitch (シャットダウン告知, 2021) — https://medium.com/gitpitch

- Eagle.js — https://github.com/Zulko/eagle.js/

- deck.js — https://github.com/imakewebthings/deck.js

- Impress.js — https://github.com/impress/impress.js

- WebSlides — https://webslides.tv/

- iA Presenter — https://ia.net/presenter

- Gamma — https://gamma.app/

- Beautiful.ai — https://www.beautiful.ai/

- SlidesGPT — https://slidesgpt.com/

- Decktopus — https://www.decktopus.com/

- Tome シャットダウン記事 (2024) — https://techcrunch.com/

- Plus AI for Google Slides — https://www.plusdocs.com/

- Microsoft Copilot for PowerPoint — https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-365/powerpoint

- PowerPoint Designer — https://support.microsoft.com/en-us/office/create-professional-slide-layouts-with-designer

- Google Slides + Gemini — https://workspace.google.com/products/slides/

- Apple Keynote — https://www.apple.com/keynote/

- Speaker Deck — https://speakerdeck.com/

- SlideShare — https://www.slideshare.net/

- Pitch.com — https://pitch.com/

- Shiki (Slidev コードハイライト) — https://shiki.style/

- Vite — https://vitejs.dev/

- Mermaid (図) — https://mermaid.js.org/

- if(kakao) — https://if.kakao.com/

- DEVIEW (Naver) — https://deview.kr/

- CyberAgent Developers Blog — https://developers.cyberagent.co.jp/blog/

- Pixiv Inside — https://inside.pixiv.blog/

- YAPC::Japan — https://yapcjapan.org/

- RubyKaigi — https://rubykaigi.org/

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